2020年10月21日 本日の鹿児島県北西部は晴れ。




観たい映画の一つに芦田愛菜さん出演の「星の子」があるのですが、映画の告知イベントで「信じる」ということについて問われた芦田さんの返答が面白かった。芦田さんの返答をかいつまむと「他者に対して「信じる」というのは、あくまでも理想の投影。期待と違う結果の時に「裏切られた」と思うのは、裏切られたのではなくて、その人の別の側面が見えただけであって、本質的には自分の考え方の問題。だから私は、そういう理想と違う側面を見た時にも揺るがない自分であるように強い信念を持てる人になりたい。」というようなことでした。16歳の時にこんな意見は私には言えません・・・幼少期から大人の中で仕事をし、尋常でない気を使いながら生きてきたから言えることなのかもしれませんが、「信じる」について皆さんはどう感じるのでしょうか。ちなみに、私は他者を頼ったことは多々ありますが、信じた事って無いですし、私的な決断について相談というものをしたことがありません・・・それは他者を卑下しているということではなく、「この世界は存在が奇跡的なんだからなるようにしかならない」と思っている事に由来します。頼ることと信じることは同じだと言われるかもしれませんが、「頼る」というのは貸し借りみたいなものと思っていて、互助だと思うのです。でも信じているから頼れるんでしょ?と千日手になりそうですが、「頼る」場合に期待する相手の能力は非常に具体的であるという点で「信じる」とは異なるかなぁ・・・と思います。
と言う訳で、アリストテレスの形而上学の第二巻です。


形而上学第二巻「α」の目次(井 隆氏訳昭和36年岩波書店発行より抜粋)

第一章 真理の研究についての心得。
第二章 原因の種類は四つあり原因の系列にも結果の系列にも限りがある。
第三章 研究方法についての研究者の心得。
20201021


雑感
第二巻では、心理を探求する際の心得や筋道の立て方、研究者となる場合の心構え等が語られます。全体としてのボリュームはそれ程ありませんが、四原因並びに言論、そして自然学に対するスタンスの取り方等が語られるので形而上学を読み進む上では大切な巻でもあります。15分もあれば読み終わる巻なので、第一巻の前に読んでも良いかもしれませんね。先人から繋がって行く知識の大切さについて語られる部分もあるのですが、これだけ多種多様な思考の現代以降は文献による知識の集約は不可能なので、やはり、インターネット等のような仮想空間でのAIによる集合知化というのが必然の流れでしょうね・・・1000年後も人類が存続出来ているとしたら面白そうです。