2020年9月2日 本日の鹿児島県北西部は台風。

台風9号の強風域に入って結構強い風が吹いています。週末の10号は直撃の予想となっているので、今から片づけをしつつ備えます・・・何事もありませんように。
20200902




イデア
完全な直線というのは実は存在せず、際限なく拡大して行けばボコボコしていたり、切れ目があったりしますが、私たちは脳内で「完全な直線」を再現し認識することができます。同様に、木の形も様々ですが、木は木として認識することができます。プラトン氏は「人の理性の目は、物事の本質を共通認識としてみる事ができる」と考え、その本質的形を「イデア」と呼びました。形と書きましたがそれは目に見えない心の中での形です。水には水のイデア、木には木のイデア、火には火のイデア、のように個別に認識されるそれぞれのものに、それぞれのイデアがあり、それは個人の経験に寄らず共有されているものだと考えたようです・・そして、イデアは物理的なものに限らず、正義や美や道徳というものにもそれぞれのイデアがあると考えていました。プラトン氏はイデアが脳内の仮想空間内のものではなく、実際にイデア界という世界が存在すると考えていて、私達が住むこの世界を「現象界」と呼んで区別し、現象界に具現化される全てのことはイデア界にあるイデアのコピーであって、見た事も体験したこともない物理的現象や精神的概念について理解ができるのは生まれる前にイデア界で見ていたイデアを思い出すからだと考えていました・・・これを想起説(アナムネーシス)と呼びます。そして、これら一連の考えが「イデア論」と呼ばれます。

概念論の源流
このイデア論は現代に繋がる概念的思考の源流とも言えるものです。その後に育ってくる実在論や観念論や唯名論や実念論など、普遍的事象を考察する上で「イデア論」はとても重要な考え方でもあります。人類に「概念」という知恵をもたらしたプラトン氏は本当に偉人ですよね。

雑感
イデア論について個人的な考えをささっと書いたので、もっと深く考察したい方は、色々調べてみて下さい。宇宙を構成するものとか、構成するものの形とか、正義の形とか、道徳の形とか、この考察を通じて考えることは非常に多いと思います。人類はどこから来てどこへ帰るのか・・・イデアから来て、イデアへ帰るのだとするなら、それはどういうことなのか・・・・是非、考えてみて下さいね。抽象的な存在としての人類に気付いたなら、人生の苦難など存在しないことに気付くのかもしれません。