2020年7月8日 本日の鹿児島県北西部は雨、時々曇り。

水害・・人間は本当に無力です。人吉に復興ボランティアに行きたいのですが、暫くは、他県からは入れないようです。状況を見守ろうと思います。

20200101-7


本日はイオニア学派について書いて行きます。

イオニア学派(以下、Wikipediaを要約)

イオニア学派(Ionian School)は、紀元前6世紀から紀元前5世紀にかけて、イオニアのミレトスを中心にしたギリシア哲学における自然哲学の一派で、知覚的な情報を元に、自然・万物の根源である「アルケー」を様々に考察した自然哲学の最も最初の学派として知られます。最初の哲学者であるタレスを含めアナクシマンドロス、アナクシメネス、ヘラクレイトス、アナクサゴラス、アポロニアのディオゲネス、アルケラオスなどがこの学派として分類されています。
アリストテレスは彼らのことをピュシオロゴイ(physiologoi, 「自然について語る者」という意味)と呼び、イオニア学派という言葉自体の使用は、2世紀の哲学史家アレクサンドリアのソーティオーンが最初で、その中で、時々「宇宙論者」とも呼ばれていました。

ほとんどの宇宙論者は、物質はあるものからあるものに変わることはできるが、万物に共通の不変な何かを持っていると考えていましたが、彼らは実験で見付けるのではなく、宗教や神話というよりはむしろ抽象的な推理を使って説明しました。アリストテレスは『形而上学(けいじじょうがく)』の第一巻(Α巻)で彼らを最初の哲学者として紹介しており、それによって西洋伝統の最初の哲学者たちと呼ばれるようになりました。

後の哲学者たちは思索の他の領域も含めるため、研究の幅を広げてゆきました。たとえばエレア派は、認識論、または、人間はいかにしてものが存在するのを知りうるのかを研究しました。
*****************Wikipedia要約ここまで。***********

タレス:万物の根源は水
アナクシマンドロス:万物の根源は無限なるもの
アナクシメネス:万物の根源は空気
ヘラクレイトス:万物は流転する
アナクサゴラス:万物の根源は無限に微小で無限に多いもので満たされた世界である
ディオゲネス:万物の根源は意思を有した空気である

アルケラオス:
アナクサゴラスの弟子で倫理への考察からソクラテスの師とも呼ばれ、以下の説を提唱。
  1. 成の原因は熱と冷の2つである。
  2. 水(可溶性の物質)が熱のために流動状態にされるとき、一方ではそれが火の作用によって中央に集まって固まり大地を創り出す。他方では周辺に流れ出し空気を生む。このように土は空気によって、空気はそれを取り巻く火によって保持されている。
  3. 土が温められ乳に似た泥土として放出されることで、生物は土から生まれる。最初の人間もそのようにして生まれた。
  4. 音は空気の振動によって生ずる。
  5. 海が大地の凹みに造られたのは、海が大地の中に滲透したからである。
  6. 太陽は星々の中で最大のものである。
  7. 万有は無限である。
  8. 正しいことや醜いことは自然本来にはなく、法律や習慣によって生じる。

雑感
今でこそ、宇宙観というものは科学的根拠を礎に共通認識されていますが、イオニア学派発生以前は、全ての自然現象が神様や妖精の類の仕業として信じられていた訳です。現代の科学的思考の出発点がここに在る訳ですが、腑に落ちないのは、その当時、既に高度な数学や天文学が存在していたという事・・・もちろんその時代に発見発明された公理、そしてそこから導かれる定理というものもある訳ですが、そもそも、何かを論じるという行動の基礎としての何かは存在している筈で、それが何なのか知りたい所です。アマゾンの奥地に殆ど言語を持たないピダハン族は言語を持たない代わりに非常にスピリチュアルな感覚を持つ民族なのですが、彼らにはただ日々の現実が存在するだけで、概念上の過去も未来も存在しません。それでも命をつないでいく上では何の障害も無く、とても幸せに暮らしている訳ですが、人は、どういう理由で「概念化する」という作業を身につけたのか・・・そこが哲学の面白さでもありますね。「無駄じゃ 無駄じゃよ 全く無駄じゃ!」とムーミンに出て来るジャコウネズミおじさんの言葉が思い出されますww。何て無駄な事をしているのでしょうねホント。言葉がなければ、人類はとても幸せなのかもしれません。という訳で、次回は、アナクサゴラスさんあたりについて書いてみます。でわでわ。