恐らく長文になるので、お時間ある時の暇つぶしにどうぞ。

つながる心 つながる力 みんなでつくる復興コンサート2019Supported by KDDI
2019年3月9日 14時開場 15時開演
無題

会場:多賀城市民会館大ホール
演奏:仙台フィルハーモニー管弦楽団
指揮者/大井剛史
ゲスト/半崎(﨑)美子

プログラム

G線上のアリア(作曲:Johann Sebastian Bach)
   --------------第一部-------------------
ウィンザーの陽気な女房たち(作曲:Carl Otto Ehrenfried Nicolai)

種(歌:半崎(﨑)美子 ピアノ:櫻田泰啓)
稲穂(歌:半崎(﨑)美子 ピアノ:櫻田泰啓)    
明日を拓こう(歌:半崎(﨑)美子 ピアノ:櫻田泰啓)
    
サクラ~卒業できなかった君へ~(歌:半崎(﨑)美子 ピアノ:櫻田泰啓 合唱:宮城県仙台南高等学校音楽部合唱部)
わせねでや(歌:半崎(﨑)美子 合唱:宮城県仙台南高等学校音楽部合唱部)

   --------------休憩-------------------

交響曲第7番 イ短調(作曲: Ludwig van Beethoven)

威風堂々(作曲:Sir Edward William Elgar 作詞:長瀧菜摘 高橋美由紀 歌:半崎(﨑)美子&ALL

感想
今まで観てきた全てのライブ、全てのクラシックコンサートの中で最も感動しました。音楽でこんなに泣ける、清々しい晴れ晴れとした気分でコンサート会場を後にするなんてことは人生で初めての経験。もちろん、そこへ繋がる様々な出来事があったのですが、書いてみたいと思います。

参加の動機
東日本大震災の後、ずっと現地へ行きたいと思ってきましたが、自分の体調不安があったり、被災した友人知人の話を聞いていると「行くのは今じゃない」という気がして、とうとう8年も経ってしまいました。昨年、母と同じタイミングで半崎美子さんのファンになって、間もなく母が他界し、色んな事があったある日に、このコンサートの事を知りゲストが半崎美子さんと知り、サポートが鹿児島の生んだ大起業家稲森和夫氏の創業した第二電電もといKDDI、そして平成と言う時代の終わるタイミングだとなれば「行くのは今だ」と直感的に感じたのでした。

東北まで
今回、慰霊がメインの旅なので、九州北東部、中国地方、関西、などの震災や豪雨災害に見舞われた地域も経由して行きたかったので、「青春18きっぷ」を使って各駅停車で現地まで行く事を決めました。学生時代はこの切符で日本全国を旅してまわったので、平成の終わりにもう一度あの感動を味わいたいというのも理由ではありました。時間の都合で、京都から新宿までは深夜バスを利用しましたし、帰りは飛行機も使いましたが、寄りたかった場所にはほぼ寄る事ができました。

前日
コンサートの前日、早めに仙台に着いたので、そのまま石巻まで行き予定になかった旅行をしました。道中で、現地の人々の強さや温かさに触れて、また、自分が想像していたよりも過酷だった震災当時の事を知りかなりショックを受けました。

当日
前日のショックがあったので、どこかの海辺か川縁でお線香をあげたいと思い、とあるふ頭から無事に焼香を済ませました。土曜日でバスがこなかったため、とある予定が残念ながらできなかったので、急遽松島の遊覧船に乗ったのですが、津波によって無くなってしまったものや復興した建物などを目の当たりにして、自然の力に対する無力さと、人間という生き物の素晴らしさを感じたのでした。

会場へ
そんな体験をした後だから、多賀城で目にするものも全てがなんだか奇跡的に思えて、しかも、コンサートの行われる文化センターも震災当時は避難所だったという話を聞いて、始まる前からもう込み上げまくってしまって、仕方がないので、太陽の光が燦燦と降り注ぐ広場のベンチで太陽とにらめっこしながら目から出る汗を乾かしていたのでした。
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開演迄
会場に着いてから開演までまだ3時間弱あったので、警備の方に近場の名所を尋ねると「多賀城寺跡も静かで良い場所ですよ」と教えて頂いたので、行ってみる事に・・・別記事でも書きますが、これまた、偶然という一言では済ませられないことに遭遇してしまいまして「これから過ごすコンサートでの時空に確実に呼ばれたのだ」という確信に変わってしまったのでした。

開場~開演
お会いしたかったハンザキストさんに残念ながら時間の都合でお会いできなかったのが残念でしたが、それは次のお楽しみにしましょうとメールでやりとりを済ませたりしながら、開演を待ちます。

開演
・・・内容についてはどういう書き方をするべきか非常に迷います。半崎美子さんの魔法にかかりに来たのですが、仙台フィルの魔法にもかかりました、かかりまくってしまいましたww。

いや~これは、本当に、まぢで、やヴぁい。それはそうですよね、フィルのメンバーだってソロでもやれる技術と表現力の持ち主たちです、それがあの人数で音の粒を揃え合うのですから。そして、ホールも凄かった、残響時間2.2秒とか・・設計者は神に違いない。

G線上のアリア」は献奏という形だったので入場の拍手も演奏後の拍手もしないようにアナウンスがありました。しかし、この演奏、こんなにも感情豊かなアリアは初めて、私自身にも前日からの感情バイアスがかかっていることもあるのかもしれませんが、一人一人の感情が手に取れるようで、優しい優しい音でした。そして、こんなにも感情と個性豊かな音楽家達を纏めるマエストロ・・凄いな。心の中では最大級の拍手を贈りました。

二曲目の「ウィンザーの陽気な女房たち」は楽曲そのものが初見。今後はチェックして行こうと思います。オペラは「オペラ座の怪人」位しか知りません。素晴らしい演奏でしたし、終盤の運動会みたいなフレーズがいまだ耳に残っている楽しい曲でしたよ。

そしていよいよ、半崎さん。
司会者の斎藤茂さんと安東理沙さんに呼び込まれて登場しました。略歴など紹介、被災地への想いなどをしばらくMCの後、曲へ。
」・・・櫻田さんの静かなピアノで始まります・・・次第に重なって行くオーケストラの音達・・・これを書きながら脳内再生していますが、なんと音響の完璧だったことか・・・音の天才達が音を作るとこうなるから凄い。

稲穂」・・・MCの後、マエストロに合図を送る半崎さん。オーケストラによるアメイジンググレイスのフレーズで始まります。音の厚みが凄い。サビの部分の半崎さんの声と全ての楽器のハーモニーはこの世のものとは思えなかった。

明日を拓こう」・・・ティンパニーの大地を揺らすような入りで一気に心を持って行かれました。このアレンジでCD化を熱望・・というかこのコンサートDVDどうにかならないのだろうか。さておき、途中から涙が止まらない。なんて凄い歌手なんだろうか。

サクラ~卒業できなかった君へ~」・・・宮城県仙台南高等学校音楽部合唱部をコーラスに迎えて歌われました。私にも高校時代に亡くした友人がいます。この曲はどうしても泣いてしまいます。なのに、今回はオーケストラとか・・・もう。母にも聴かせたかったなぁ。

わせねでや」・・司会者の
斎藤茂さんと安東理沙さんの紹介でこの曲の成り立ちが話された後、始まります。私もyoutubeで予習してきたので、心で一緒に歌いました。

----15分の休憩----
この間、司会の斎藤さんと安東さんが登壇されて、質問コーナーが始まりました。「どこから来ましたか~」と。福岡県春日市での半崎さんのコンサートでは「かごしまから来たよ~」と言えなかったので、今回は絶対言ってやろうとwww。しかし、タイ!バンコク!~ま 負けたwww 意気消沈。だけども だっけっどっ ですよ。私だって、今回、家を出てからこの会場まで60時間かけてますからねっ!バンコクなんて精々10時間ですからね、負けてませんww・・そんな対抗心なんてありませんが、まぁ記念なので「かごしまで~す」と大きな声で言わせて頂きました。暖かい拍手と「おーっ」というお言葉、嬉しかったです。OTTAVA様のフェイスブックにも「北は北海道から南は鹿児島(タイのバンコクからも)まで全国から大勢の方が駆けつけてくださった」と書いて下さり、やはり言ってよかったなと思いましたし、今、めっちゃ嬉しかったり。

休憩が終わると、いよいよ、「ベト7」です。

オーケストラが入場し、マエストロが入ってきます・・・大井さんが玉木宏さんに見えました。もう、私の中では、この世界は「のだめカンタービレ」の世界w 隣の女の子も のだめ に見えて惚れそうになったのは秘密。で演奏ですが、これまた、凄かった。クラシックについてうんちくが言える程の知識も経験も持ち合わせていないのであれですが、あの演奏をもう一度聴きたいので、どうかDVD化・・CD化・・いやダウンロード販売でも良いので運営の方宜しくお願い申し上げます。半崎美子さんの第一部も同様にお願い致します。

フィナーレは「威風堂々」。この曲を聞くと役所広司さんを思い出す。「合言葉は勇気」・・良いドラマでした。そんなことを思い出しながら、今日のこの至福の2時間を噛み締めます。合唱パートには半崎美子さんが再登場、仙台南高等学校音楽部合唱部の皆さんも両翼へと登壇し、お客さんも一緒に大合唱で大団円となりました。ちなみに、この威風堂々の合唱に使われた曲の歌詞は、1999年に東京で行なわれたコンサートのために当時小学校5年生だった長瀧菜摘さんと小学校6年生だった高橋美由紀さんが作ったものだそうです。

僕らは ゆく まっすぐに
あふれる希望 光の道
時の流れは早いけど
忘れはしない 大きな夢
今日のこのうた 生き続ける
さぁ 歌おうよ 声あわせ
響かせよう 世界中へ
さぁ 手をつなごう ひとりじゃない
仲間になろう 勇気を出して
みんなで行こう 未来へと

拍手喝采の中で終演。

雑感
今こうして、たった3日前の事を書き起こしてみて、改めて思いますが、凄いコンサートだった。半崎美子さんは共感の魔術師だと私は常に書いていますが、仙台フィルとの共演は、その次元を超えていました。どう表現したら良いのだろう・・・・もう、共感じゃなくて同化していたんですよね・・会場そのものが。究極の相乗効果・・・これはまた何度でも味わいたい。このコンサートは参加できて本当に良かった。この瞬間に出会わせてくれた全ての事に感謝しながら、この後、松島海岸で行われる同窓会へとダッシュしたのでした。同窓会の席でもどれだけこのコンサートの凄さを語った事か、福島の友人はそういう私の姿がとても嬉しかったそうだ、名取の友人には今回会えなかったけれど、来年もこのコンサートに来たら会えるかな。そう書きながら、私も今、とても嬉しいのでした。
長くなりました。読んで下さってありがとうございました。
半崎美子さん並びに仙台フィルハーモニー管弦楽団を遠く鹿児島から応援し続けて行きます(*^▽^*)
みなさまも是非!